渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

大河ドラマ「真田丸」第2回「決断」

  • 前回の記事から1週間たっているように見えますが実際は3分しかたっていません。つまり17日にまとめて書きだしたのであって、長らく140字以上の文を書いてなかった身には堪えますので今日のぶんはふんわりと、目を引く人物についてなど。
  • 弟と対照的に慎重実直な人物として描かれる真田信幸、を演じる大泉洋。意外といえるキャスティングなんだろうが、こと三谷脚本ではそうでもないっていうか。苦手と書いた「ベッジ・パードン」ですが大泉の役柄は私わりと好きで、「なんでもできる男がたった一つの肝心な事柄で勝てなくて、だからそれ以外のあらゆる事柄で相手を打ち負かそうとする物語」というみたにさんのイヤなライフワーク(褒めています)の、「なんでもできる男」が大泉だったというね。これがよかったんですよ二枚目だったんですよ。信幸兄ちゃんがそこまで業の深い人間になっていくのかは定かでないが、どう転んでもたぶんキャラと演者の不協和音は生じなさそうである。
  • やがてラスボスとして立ちはだかるはずの徳川家康、のなんという小物感。主役の信繁が最初からわりと大きな器を感じさせるぶん、番組1年かけて人格的に成長する(もしくは変質する)役目はこちらに振られているのかもしれない。あと私、この少々まるまるとされた内野家康を見てたら、顔ぜんぜん似てないのに濱田岳を思い出してしょうがないんだけどなぜだ。好きになれそうです。(濱田岳のファンというわけではないのだが)
  • 一部で「今年の武田家大河よかったねー」と涙ながらに語られている功労者武田勝頼。ふつうに聡明であっても時の巡り会わせで負けざるを得なかった人もいる、という描写。冷たいものを遠慮なくどんと提示してくる物語が併せ持つ、個人に対する優しさ。
  • そういえば前回の話だけど勝頼様が真田兄弟を訪れる場面とか、信繁が陰ながら頭を下げる場面とか、ナレーションいっさいないよね。いつ誰が何をしたって説明の段では若干うるさいくらいにナレーション入ってくるが、感情の動きは完全に画面と役者に委ねられていると思う。それだけで名作と、気が早いけど言いたくなる。