渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

大河ドラマ「真田丸」第17回「再会」

  • 信繁が知恵フル回転で窮地を脱するところが見られるのだろう、と思っていたら、窮地のほうから自発的に消えてった!
  • ていうか三成さん的に言うなら「窮地だと思ってたのはおまえら(信繁と視聴者)だけだ」ってことか。先週ラストのお手振り茶々とか、なにか策につながるのかと思ってたら単にお手振りしてただけかよっていう。
  • でもまあ妥当な展開ではあるのか。田舎出の若輩者ごときの策が関白秀吉にまともに通用するわけはなかろうし、かといって策を見抜いて「なかなか面白き若者よ」なんつって許してくれる大人物じゃないもんなー今回の秀吉は。というわけで、助かる道ははなから、秀吉に戦を起こす気がないという一点しかなかったと。
  • でも信繁がなんにも役に立ってなかったかというと、それも違う気がする。結局彼は策を弄することなく、真正面から秀吉に停戦を訴えつづけたわけだが、その正面突破の姿勢こそが秀吉に気に入られた要因なんだろう、と思えるからだ。いや、信繁は決していつも無遠慮に正面突破するタイプじゃなく、とてつもなく周りの空気が読めるのが大前提なんだけど。
  • 基本空気が読めて、ここぞというときに正直にぶつかるのを恐れない人材。だから気に入られて、たぶん気に入られたことは、真田が戦を免れたことと無関係ではないはずだ。信繁を馬廻衆に加えておいてその実家は攻撃させるってものすごいサディストだな秀吉!と先週思ってたんだけど、さすがにそこまでゆがんだおっさんではなかったようです。
  • 主役にしては耳目を集める破天荒さもなく、逆に大きな伸びしろに直結するような未熟さも認められない信繁に、石田三成から今日「何者なのだおぬしは」と、いかにも主役に投げられそうな問いが投げられた。答えてにこっと笑う信繁の軽やかさ。無色透明にほんのすこしきれいな青を足しただけみたいな、こんなむつかしい匙加減の主役、堺雅人でなきゃこなせないよなあ、と感服しましたよ。
  • 清正・正則の生え抜きコンビに三成が「よく思われようとは思っていない」のは、秀吉が悪く思われてしかるべき部分まで自分が引き受けようともしてるんだろうな。彼らに亀裂を生じさせないために。秀吉が元気なうちはそれも効果的なんだろうけど。。。
  • なお三成さんのそういった行動、一般には「クールビューティ」とも呼べるものかと思いますが、ほんと私事で申し訳ないんだけど山本耕史の顔にどうしても「クール」の形容がかぶせられない(ビューティのほうがまだしも)。記事とかで「三成は『本当は』ホットな男」と書いてあると「あ、ああ、そうなんだ(そこ隠れてる設定なのか)」って思ってしまってな……
  • ああそうなんだといえば、今日の徳川家訪問について片桐且元の中の人が「家康、本多正信本多忠勝の迫力がすごくて縮み上がってしまって、そのあと秀吉や三成の顔を見てほっとした」的なことをおっしゃっていたそうで、お、おう、あの闇の豊臣家でも帰り着いたらほっとするのか……ってなりました。まあ舞台裏では豊臣家っていうより石田村の面々なんだろうと思いますが。
  • んでも、まだ決して心安くはならないけど、見ていてこわいこわいだけではなくなってきたよ大坂城。自分は小心者だとしょんぼりしてみせる秀吉を信用しては全然!いないけど、臆することない信繁がいるおかげで、よし一緒に魑魅魍魎の城を探検してやろう、くらいの気持ちにはなってきた。
  • でもやっぱ、(自分はひどい扱いされてたのに)母娘対面に涙ぐんだり突然の秀吉登場に腰抜かしたりの権現様が一番らぶりーだったと思います!