渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

大河ドラマ「真田丸」第16回「表裏」

  • ああ恐ろしや。日曜夜、新たな一週間に備え英気を養うひとときになんでこんな肝の縮むドラマを見ねばならんのか。帯を選んだのが自分ではないと見抜かれて関白殿下が声を荒げるところから恐ろしくってもう。愛すべき酒飲みと思われた清正は忠誠心の出しかたが行きすぎだし。
  • そんな恐怖の羽柴一族を、しかし一族の良心っていうか知性・秀長さんが違う角度から解説してくれた。いわく、自分たちは手に入れた権力に心が追いついていないのだと。その言葉に沿って見直せば、たしかに秀吉はメンツをちょっと気にするお父ちゃんでしかないかもしれないし、清正は世話になったおっちゃんに報いたいヤンキー以上ではないのかもしれない。いくらヤンキーでも行きすぎだと思うけど、まあ戦国時代なので。
  • 大坂城があんなに恐ろしいのは「ひにんげんてきなつめたいとかいの城だから」なんかではなく、ある意味これまでのどの家よりも人間くさい集まりだからなのか。だからって私の肝は冷えるのをやめないし、信繁がひとつ間違えたらまっさかさまの綱渡り状態なのも変わらないが。
  • でも大坂城にいるのは私じゃなくて信繁なので、この窮地から来週は知恵フル回転で脱してくれるようで、ああ主人公がこの人でよかった!とよくわからない感謝をしている。あの関白殿下から「力になったってちょー!」って言葉を引き出すまでになるなんて(まあ本気の言葉かは怪しいとこだが)。
  • 個人的に、今回の副題を一番体現している気がしたのが茶々。といっても彼女自身が「裏」を見せたわけではまだない。「あのお方は悲しむのをやめたのです」という乳母の言葉、ああ、そうなんだね……と、史実の彼女の来し方(一応伏せとこう)と前回からのあの笑顔の落差に合点がいったところである。これからどんなふうに「裏」があらわになるのか実に気になります。あと、いまの時点ではやっぱり側室になってはないのね。
  • 「けんちとは」「いろんなことがわかります」の秀次、伯母上には優しいしファッションにも造詣のあることが明らかに。いいとこ沢山あるっぽいのにね……そしてこの時点では、秀次に不満いっぱいだけど花を持たせてやろうともしてる秀吉が、なんかよけいにつらい。
  • この恐怖の城内にあって、自分の半径50cmくらいしか見えてなさそうなきりちゃんがもはや癒しに思えてきましたよ(室賀さんにも似たようなこと言ったな)。しかしきりちゃんが秀次から秀吉にまでロックオンされるなんてねえ~。って思ってから、あっそういえば長澤まさみだったって思った。