渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

大河ドラマ「真田丸」第9回「駆引」

  • 前回「家康かわいいけど昌幸父さんの夢を潰しそうでやっぱこわいわー」と〆てから世間の評判を見たら、「昌幸のわるだくみを阻止できるのは家康様だけ!」みたいになっててあいかわらず逆張りの星のもと生まれたらしい私です! いやまあそっちの気持ちもわかるけど!
  • でもさー家康かわいいけど「大名でもないくせに」ってさらっと真田をディスってたしな。あと、いい人枠に入れられてる滝川さんだってべつに思いやりで城を返そうとしてたんじゃなく「留守にしたら管理も大変だしとりあえずおまえらに任せとくわ」ってことでしょう。「いずれ酒でも酌み交わそうぞ」って、本社の人事が落ち着いたらまた城もらいにくるんでヨロシクってことじゃないのか。そういう、ナチュラルに人の上に人がいて人の下に人がいる状況で生き抜こうとしている父上を、ただ悪巧みの人とは言いたくないのであった。まあ春日さんだけは祟っていいと思いますけど。
  • と、「共和制いいじゃん、力を持たない者たちの結束いいじゃん」と信幸兄ちゃんばりにわくわくしておりましたんですが。「わしは大名になるぞ!」で兄ちゃんもろともずっこけましたよねー。うん、まあ、むろいずみ君(違)がめっちゃデレた時点でいやな予感はしてたよねー。
  • 力を持たない者たちが対等に支えあっていくのはとても難しいことだと描きつつだから、ずっこけながらも納得はしてるんだけどさ。族長がデレても末端は小競り合いしてるとかねえ。
  • ずっこけた兄ちゃん(と私)を尻目に、昌幸の宣言の瞬間居住まいを正し臣下の礼をとった出浦昌相。あんたがよけいなことをたきつけたせいで、と思いつつも、その姿の美しさには勝てませんでした。「自分以上の器に臣従を望む切れ者」ってさ、いいよね・・・(だめな笑顔で)
  • 信繁の葛藤は、まあそうなるかな、という形で昇華されましたね。梅ちゃんは「人がほしがっている言葉をほしがっているタイミングで言う」才能の持ち主なのだな。
  • 対してきりちゃんは絶望的にタイミングの才能に欠けるようで、であればこそ「うざい」という鎧で守られているのだなと思うようになりました。言っておくと個人的にはうざいからといってきりちゃんが嫌いではない。いまのところ飛びぬけて好きでもないけど、でもこのタイミングに恵まれない娘がいつか「これしかない」ってタイミングをつかむ瞬間があって、そのとき私もあなたもうおおおって叫ぶんじゃないかな、って予感はするよ!
  • ラスト前、葛藤を抜けた信繁を温かく見つめる信幸がよかったなあ。正攻法の自分の提案を踏み台にして弟が意見を出してきたのに、あんなに気持ちよく賛成できるお兄さんなかなかいなかろう。それも気を遣ってじゃなく、意見の良さをちゃんと吟味した表情でほんとよかった。
  • そしてラスト、真田が狸なら北条と徳川は大狸と大狸ー。兵を損なわないために策を練る、のスケール特大版。こういう人たちと渡り合っていくんだから、やっぱ父上はわるだくみくらいしないとやってられませんよ!