渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

大河ドラマ「真田丸」第8回「調略」

  • 嘘ばっかりついてるのは一貫していても、第6回ラストの前と後では嘘の拠って立つところが違うのだ、と昌幸父さんについて世界でただ一人述べ続けてきた私ですが(そうなのか)ほら見ろ!と世界に向けて胸を張りたい所存でございます。誰かの後ろにつくための嘘ではなく、誰の後ろにも立たずにすむための嘘だったでしょ! いやごめん、先週おしまいくらいには正直ちょっと「北条への手土産とか言ってる、やっぱ父上は風見鶏のままだったのか…」と弱気になってました。
  • しかしその、一兵も使わずに権力の空白地帯を守る道は、少しの風でもバランスを失いかねない細い断崖の道で、一兵も使わないけど犠牲を出さないとは言ってない苛烈な道でもあったのだった。なんにも悪くないのに(よりによって主役一家に)殺される春日信達。勝頼様といいこの人といい、哀れな役回りにいちいちきれいな男の人配置するよねこの大河! もう!(好感を持っているようです)
  • 力を持たないまま中立でいるって、実現しようと思ったらこれくらいしんどい事業なんだわねえ。
  • いままで嬉々として父に従っていた信繁が、どうやら次回そのしんどさに向き合うらしく。どういう言葉で折り合いをつけていくのか注目の回になりそう、と乗り出すくらいには、このドラマに信頼を抱くようになったっぽい私です。
  • それにしても薄氷を踏むごとき緊張感のなか、毎回わかりやすく怒鳴りわかりやすくいじわるな室賀正武さんがすでに癒しの存在と化している。心中ひそかに「むろいずみ君」と呼んでいます。
  • 国衆たちに君臨しようと気負いすぎて言葉のイントネーションがおかしくなってる北条氏直、いっぽうで父・氏政への報告はとっとと済ませたさがにじみ出すぎてる超早口で笑った。いいキャラである。
  • 二週間のごぶさたシュガーハニー権現様! あいかわらずのビビりで重心不安定で、でも昌幸の共和制構想(っていうかなんていうか)に気づいたような瞬間、ラスボスらしい怖さが垣間見えた。そうなってみると、どうかそこ気づかないで見逃して…!と昌幸父さんを応援したくなる不思議。いや主役側なんだから不思議がるこたないのだが。