渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

大河ドラマ「真田丸」第4回「挑戦」

  • 戦国時代のドラマにおいて、織田信長を物語の中心ではないけれど傑出した人物として描きたいとき、あえて人の姿で登場はさせずに影響力の結果だけを見せる、というやりかたがしばしばある。想像がかき立てられて好きな手法なんだけど、今日は信長が人の姿で現れたにもかかわらず同じくらい行間を感じてうなった。2回の登場シーン、どちらもすぐそこにいるのにあまりにも手の届かない存在に見える男。人が素足や足袋で歩く廊下を、ひとりだけ見たこともない履物で踏んでゆく。吉田鋼太郎の演技がすばらしいのはもちろんなんだけど、演出や衣装やとにかくもろもろが総出で異形の傑物を作り上げてた。
  • それでもこれから出番が増えてくれば人間ぽいところも見えてくるのか、やっぱ大河ドラマだから、主人公と心通わすエピソードがあっちゃったりするのかしら(あんま嬉しくないけど)と思ってたらもう死んだーーー!!
  • いや私だって本能寺の変くらい知ってるが、何月だったかまでは覚えてなかった、ていうかこんなに道半ば感のあるものだったのか本能寺の変・・・。
  • 「織田についたからひとまずは安心」って台詞の直後にこれ。「浅間山が噴きでもせぬかぎり武田は安泰」どかーん、を思い出しますね。あれはどうやら今年いっぱい物語について回るモチーフなのか。昌幸父さんは間違いなく豪胆かつ知恵者であるのに、この先何回あの愕然顔をせねばならないのだろうと楽しみです(ひどい)
  • その父さんと互角に渡り合った徳川家康。ごめん前に小物とか言って(まあ今日も偉くないと思われてたけど)態度はわたわたしてても見るべきものはきちんと見、言うべき言葉はしっかり言う、すでにしてひとかどの人物なのだった。こうなると、むしろこの家康がどういう道筋で豊臣を滅ぼすことになるのか興味がわくな。今のところ、置かれた立場をまっとうしようという意思しか感じないものね。
  • 身分の違う作兵衛一家とあまり気安く交わるな、と父に釘を刺されるきり。そこで、ああこれってまだ子供時代の話なんだったと我に返る。小山田くんが妻のもとに戻ってきてしまうのも少年らしい短慮で、それをかくまう梅やきりの結束も少女たちのそれで、しぶしぶ見逃す信幸のちょっとまぶしく見えるくらいの青さも当たり前なのだった・・・が、やっぱテレビだと10代じゃない人間は10代には見えないので、ちょっと無理しながら見てる部分は正直、ある。だからって子役入れたほうがいいとも言いきれないんだけど。
  • あと信繁が矢を運ぶ工夫をぺらぺらしゃべっちゃうのも子供だからね! 「私が考えました」えへん、ておまえは武田観柳斎かと組!ヲタはついつっこんだ。