渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

第13回 芹沢鴨、爆発

  • 粕谷さん、ありがとう。私のかぼそい推測の糸を野太い説明台詞で包んでくれて。というわけで「芹沢、実は策士」説にも望みが出てまいりました。おめでとう(何が)
  • あー、すっごく面白かったんですけど、いまだかつてここまで総務・庶務の仕事にスポットを当てて進む大河ってあったんでしょうか。私はといえばそういう庶務リアリティが大好きで、第1回のベスト台詞が「羽織配ります!」だったってくらいの人間なのでそりゃあ大喜びなのだが、世間の反応がますます心配ではある。ちきしょー、兵站ってのはなー、重要なんだぞー。
  • 実務の回であったればこそ、やり手ビジネスマン土方もいよいよ本領発揮。あんまり発揮しすぎて近藤っている意味ないんじゃ?と思いそうになったところで、こちらもケツを持つボスの意地を最後に披露。最近悲しい役回りの多かった山南さん(なんでさん付けしちゃうんだろうなこの人だけ)も、剣士の誇りを見せてくれた。いやもう、やらしいくらいキャラ立ててくれるなあ三谷さん。
  • うまが合わないようでも土方の策を一番サポートしてるのが山南で、土方も山南の腕を認めてる、なんてあたりも琴線にばいんばいん触れる。そういえば、近藤に「わかってるから」な目配せで功労を認めていた佐々木只三郎も琴線クリーンヒットだった。
  • あと地味ーに前からいいないいかもと思っていたんですけど、鵜殿鳩翁。いい……(拳を握る)! 「燃えてるねえー…」あんた大物だよ! いやもしかすると単にボケ(略)いや、鵜の殿様に鳩爺さんなんて名前が只者なはずはないよね。って、ここにも鳥か。
  • 役名をようやく覚えた池田徳太郎(野仲功)は、どうやら小役人でもかなりやる気のない部類のようで残念。自分の持ち場はきりきりやる小役人じゃないと、グッと来ないんだよう(おまえの希望は聞いてねえ)。代わって、新見錦相島一之)の株が今回上がってきた。声の軽さでどうしてもにじむ小物感ながら、小物なりに状況をきっちり読んでいる。
  • 佐藤浩市はやっぱり上手い…んじゃないかな…ってつい弱気になるのは、本人を消して演じるタイプの俳優ではないからなんだろうけど。しかし、「あちっ」とか言って意地の張り合いでは負けてんのに、かっこ悪いのに「格」では負けていない、たいしたもんだと思うのだ。(ついでに言えば、それを不戦勝にまでさせなかった香取慎吾もかなり偉かった)それにしても鴨、鳥小屋まではいかなくても、布団部屋もずいぶんな待遇だと思うんだけど、いいの? もうめんどくさくなっちゃったの?
  • そして可哀想な殿内さんに大爆笑を捧げる。せっかく誰にも邪魔されないハッピースリーピングを満喫していたのにねえ。