渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

大河ドラマ「真田丸」第6回「迷走」

  • 真田昌幸が叫ぶ「大博打の始まりじゃ!」。予告や番宣にもこの場面はしばしば使われ、しばしば「あんたいっつも大博打やないかい」と視聴者(含む私)につっこまれていた。が、いざ見てみればこの大博打、これまでの博打とは性質が違うのだった。
  • どの強い者につけば勝てるかという博打から、どうすれば強い者たちをすり抜けて生き残れるかという博打へ。ゲームに勝ってやるとこれまで意気込んできた昌幸が、ゲームのルールは本当にひとつだけか?と向き直った。45分×6回(プラス初回延長分)さんざん、さんざん戦国の世とはこういうものと語ってきて、今になってひっくり返して「ここからが本題です」と来た。大河ドラマにしかできないことかもしれない。
  • ひっくり返すために、みんなそれまでの棚卸しを迫られる回だった。松がいなければ自分が里に帰る意味はないと去る小山田くん。才がなければ自分が真田家にいる意味はないと思って、でも好きな女の子に「私を守って。そのためにあなたのいる意味はある」と繋ぎとめられる信繁(爆発しろ)。そして自分の選択眼に初めて疑問を持ち、そもそもこんなにあっちこっち選択が必要なのはなんのためだ?と昌幸が眺める信濃の山。
  • そんななか「ひとたび家臣になったのだから織田につくが当然」と意味なんかハナから気にしない信幸がそれはそれで光る。
  • 肝の据わったおばばさまがとってもかっこいいのだけれども、出てくるのがこういう女性ばかりだったら、なんか率いる側に都合のいい配置だなーと感じたであろう。薫お母様はつねに自分の快適さ優先でわがままを言うが、同時に夫や子供や嫁いできた里への愛情が溢れているから、この人がわがままを言える環境を守ることが里を守るってことなんじゃないかな、と思える。(わがままを聞くとは言ってない)
  • 素破が戦いで死ぬことはない、死ぬのは信用を失ったときだ、と語る出浦昌相。まっすぐな信幸と選択結果は同じでも、加えて「戦略としての誠意」みたいな視線が見える。まっすぐな信幸ところころ旗幟を変える戦略家昌幸、というこれまでの対比に、ここにも「軸って本当にその一本だけか?」が。
  • 先週のハードスケジュールが祟って一回休みの権現様とゆかいな家臣団(祟ってない人もいる)。先週のご飯粒つまみあうヒゲたちもどうかと思いましたが、今週のヒゲとヒゲがヒゲの寵を競う図ももう・・・