渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

第16回つけたし

  • あちこちの感想を見て、なるほど人は同じものを見て、違うことを考えるなあとまた象山先生の言を思う。「動きのない回だった」「つなぎだった」という意見をちらほら読んだが、旅先で宙ぶらりんに過ごしていた大所帯の行き先が決まった回だぞ? それが動きでなくてなんなんだ。まあ私も、近藤家母子の確執氷解の回を軽ーく流した人間だからとやかく言える立場ではないが。
  • あと「近藤が何もしてない」という感想にもびっくりした。座禅を組んでいるの、休んでると思われたんですかね。
  • ただ前回も書いたように、いろいろな出来事がつるつるっと流れすぎて、感情移入ができにくい回ではあったかも。自分が入りこんでいけないと、出来事としてはいろいろあっても「話が動いた」って思えないことはあるし。
  • 「何もしてない」近藤さんについては、まあ、「下が挙げた策を検分して方向を決めるのがリーダーである」と説得力持って見せられるか、という演技の問題でもあるかなー。事実だけ見れば今回、芹沢のほうがよっぽどなーんもしてないんだが(でもお目通りのときはいてくれて助かった)存在感だけで無理やり偉く見えちゃうもんな。
  • 話は飛んで、しるこ会談のあと寺の廊下を急ぐ山南と土方。腿に手を置いた侍走りの山南さんのあとをぴょんかぴょんか走ってくる生き物は、あれはなんですか。凛々しい眉とギャップがありすぎてかわいいと思っちゃったじゃないか。
  • あと本堂の仏像のアップと、瞑目する近藤先生のアップが酷似していたのはわざとですか、って私が過敏ですか。爆笑したいような有難いような、不思議な気持ちになりました。
  • 寂しさはあるものの、すべてが上手く行きはじめたらしいと知って、旅路の夫を想うおつねちゃん。昔の手紙って時差があるからね…。日付を考えると、同じ空を見上げていた勇様の顔はもう、ね……。