渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

大河ドラマ「真田丸」第15回つけたし

  • 第14回のあとに「この豊臣があの徳川に滅ぼされるのは、新しい価値観が旧来の(ラブリーではあるけど)武家に潰されるようでちょっとやるせない」と思ったのは、あくまで秀吉のキャラが見えてない段階だったからだよなーと。落ち着きのないお茶目なおっさん程度の印象だったものね。いまとなっては「新しいってか異形のモンスターが築いた王国の地を人間たちが取り戻すのね・・・」くらいの気持ちである。
  • 初見ではこわいこわいで終った秀吉、見返すとこんどはなんか痛々しいというか、悲劇的な雰囲気が強くなった。のちの歴史を知ってるせいも大きいだろうけど、落ち着きのなさがそのまま、どこにもしっかりとつながれてない不幸さに見えてくる。打てば響く家臣に恵まれてても、家族をあんなに重視してても、帰属している場所がないような。
  • でもかわいげは依然感じないので、痛々しいつっても「おいたわしい・・・」とはならず、ほんとにケースのなかのモンスターを見守るようなドキドキ感。
  • このさき家族、とくに寧さんにとっての秀吉がどんな存在なのか描かれれば、かわいげも生じるのかもしれないが。ちょうど秀吉といえば「へうげもの」初回の秀吉登場を読んだとき「うわ陰湿、厄介、こいつ絶対に好きになれない」と思ったのに、3巻に入ったあたりで「へうげ一番の萌えキャラは秀吉」と断言した前科も私にはあるので、またころっと転がされるのも良しであります。
  • そういえば先日、音楽担当の服部隆之さんがスタジオパークに出演されて「大坂編ではこれまでと毛色の違う曲も入ってきます」とおっしゃっていたが、大坂城の偉容とともにバーンと流れた音楽がまさに世界を覆すような調べで。これまでの土や野山を離れた、栄華の極みを鳴り響かす音であった。
  • 音で思い出したけど大谷・石田の酒席に呼ばれた信繁が話に入れなくて噛んでる漬物のぼりぼりぼりぼり・・・のおかしさよ。あと大谷吉継まじジェントルマン。