渾身猫パンチ

書きたいときだけ息を吹き返す間欠泉

第15回 行くか、残るか

  • んが。穿ち過ぎでしたか、わたくし。すなおに、水戸学どっぷりの鴨は天子様と聞いて「異議なし!」の条件反射→しかし自分を誰かが欺くのは許せないので新見を通じて佐々木にチクる(あるいは、新見の判断を事後承諾)と見ておけばよかったですか。山南さんが見つけた縁側の新見の表情、もう少しなんか裏があるのかと思ったんだけどなー。(いや、最初は母星と交信しているのかと思いました)
  • しかしそれにしても、芹沢の行動の拠り所がいまいちわからん。騙されたのが面白くないにしたって、なにも京に残って根無し草にならんでもいいのでは。「お前は馬鹿だが…」の台詞もなんだか唐突だな、と思っていたら、さっき見にいった公式サイトにこんな今回のあらすじが。

「勇はことの次第を芹沢鴨佐藤浩市)に打ち明けるが、芹沢は勇たちと行動を共にすることを断わる。しかし、清河が浪士組の面々を集めた場で江戸への帰還を宣言すると、勇たちだけではなく芹沢までもが清河に反旗を翻して京都に残ると言い出す」

  • ええと、芹沢がいったん断る場面てなかったよね? 公式のあらすじにあるということは、脚本にはどっかで存在していたんだろうと思うのだが。
  • おそらく「断る」の段階で芹沢は近藤に言ったんではないか、「お前は馬鹿だ」に相当する言葉を。で、そう言いながらも気持ちが動くような溜めがあって、もしかするとそのあとお梅さんと遭遇したんだったりして、残留表明→「馬鹿だが、付き合うことにした」につながると。
  • それだったら納得がいくんだけども。去就は決めたけれども騙されたのは相変わらず面白くないんで、ついでに斬っとくか清河、って流れもわかるし。
  • 最初から残るつもり(に、あれだと見える)で清河も斬る気なら、もすこし周到に襲っても良さそうなもんだ。ちょっとかっこ悪いぞ鴨、と思ってしまっていたので、その辺は上記あらすじで腑に落ちた。なんでその場面を入れてくれなかったのかなー。
  • 一方、予告ではやや疑問だった「近藤、清河を助ける」のほうは、私にはすんなりと入った。「武士の世は終ります」と言われても、それを事実としては受け入れがたい近藤先生。でも、それを言った人間の信義だけはきっちり受け取る。そういう人なんだという説得力が画面にあった。助けるにも甘ちゃんな雰囲気で助けるんではなく、相手の覚悟を厳しく見定めていたし。「天が望まなくなったら?」の顔、良かったぞ香取慎吾。局長になってたぞ。
  • 残留が土方の作った御輿に乗っかった結果っていうのは、ちと情けないけどねえ。ま、それは動かしがたい定説なんだろうし、御輿に乗るにも才能が要るのだ。
  • 山南さんは「自分も騙された」とは言えなかったんだな…。で、「清河は私が斬る」と言ったときは「おお優等生の反撃か!?」と色めきたった当方ですが、それが鴨を欺く言葉と知ってまた「おお山南さんのくせにフェイント攻撃!?」と色めきたちました。二転三転、今回一番心理の見所が多かった人だったと思う。そして同時に、この人はどうしても自分を追い詰めていってしまうんだな、とも予感した…。
  • ひでちゃん、(沖田が)残ると聞いてこっそりにこにこしていたねえ。可愛いねえ。